− その3 急登のあと急降下で三条の滝はほぼ40年ぶり!そのあとは「温泉」だもんね♪ − 三条の滝は雪融けの水を集めて豪快に流れ落ちていました。ここに来たのは何とほぼ40年ぶりです(驚)。 |
|||
さて渋沢温泉小屋から尾瀬ヶ原の最北部に位置する赤田代まではまだ遠いです。何が遠いって、ここからはアップダウンが激しいのですよ。 |
|||
まぁ荷物もさして重くはないし(小屋泊まりなのでテントや寝袋がないのは大きい)バテバテになることはないでしょうが、渋沢温泉小屋跡を出発したのが13:00ですから、少し到着時間のことも考え始めなければいけません。計画段階では15:00くらいには到着できるかなと思っていましたが、この時点では「何とか16:00前に到着したいぞ」というように目標を変更した次第です。でもね、 |
|||
|
|||
両上画像は傾斜が緩くなった場所で撮影した画像です。まず左上画像は登山道が倒木沿いに続いていますが、だいぶわかりにくくなり始めています。幸いTakemaは往年の経験により「登山道であるか否か」の見極めは多少なりとも出来るつもりです。人が長年踏んだ場所とそうでない場所は土の感覚が違いますから(格好つけるんじゃないって)。 |
|||
|
|||
「昭和52年6月 小沢平(の出作り小屋) 屋根改修(老後対策で) 54歳」と記された彫り込みもありましたが、この方にとってみれば「落書き」ではなく「この地に生きる証を記した」ということなのでしょうね。それを今の価値観で「落書き」と捉えてしまうのはたぶん間違いなのでしょう。あ、わたしもこの時点にてあと数週間で53歳だったんですよね。老後の備えは‥(苦笑)。それにしても渋沢温泉小屋、本当にもっと早く訪問しておくんだった! |
|||
|
|||
と、遠くからでも目立つ白花を見つけて近寄ってみると‥ん?これタムシバですよね。タムシバの花、GWの宮城栗駒エリアで見て以来です(コブシじゃないですよ。その時のページはこちら)。だいぶ傾斜が緩くなってきて、スマホの登山用GPSアプリを見るとどうやらもうすぐ御池からの燧裏林道と合流するようです(「林道」とありますがただの登山道ですので念のため)。 |
|||
|
|||
いやぁ楽勝だわ、足元を見なくてもつまずかず前に進めるってスゴイ♪ヤナギの新芽もかわいらしいしよしよし。 |
|||
しかしシアワセな時間は長く続きません。ここからは一気に200mオーバーの下りです。実際ここからの下りはかなり傾斜がきつく、赤田代方面から三条の滝経由で御池というのは最悪のコース取りだなと確信しました。三条の滝からずっと登り続けることになるでしょうから(逆コースはOKよん)。 |
|||
|
|||
ムラサキヤシオツツジの花を目にしながら三条の滝展望台への分岐まで下りてきました。ここで、この日山に入ってから初めて他の登山者に出会いました。そしてこのあと何人もの方々とすれ違うこととなり、いよいよ尾瀬の中心部に入ってきたんだなと実感(ほんの6-7人でしたが)。 |
|||
ここからは要所要所にこんな歩道や階段を通って‥ 珍しく写真を撮ってもらいました。 |
|||
自分も世界各国で滝を見てきましたが(アイスランドのこちらとかこちらとかこちらとか、南部アフリカのビクトリアフォールズとかアメリカ&カナダ国境のナイアガラとか)、緑濃い山の中で人知れず落ちている大滝としてはやっぱりこの三条の滝と、あと福島の滑川大滝をイチオシしたいのでありますよ。 |
|||
|
|||
さてここから200mをじわじわと上がり今宵の宿である赤田代の元湯山荘へと向かいます。実は隣接する「温泉小屋」に泊まる気満々で予約の電話を入れたところ、何と「その日だけは施設整備のため休業日」ということでした。SNSで春先の小屋開け時期から日々尾瀬の状況を拝見していたので、今回は是非泊まらせてもらおうと思っていたのにね。残念。 |
|||
この時期ならでは?のショウジョウバカマはもちろん、シャクナゲや、何とハクサンイチゲまで咲いていました(驚)。 |
|||
で、平滑の滝まで上がってくればもう赤田代までは一投足。ここまで上がってくる途中で自分が追い抜いた方に(この滝の画像を撮ったり煙草を吸っているうちに)追いつかれましたが、「あなた、健脚ですねぇ」と声をかけられました。いやいや、もうこの日はかなりヘトヘトだったんですよ(苦笑)。 |
|||
|
|||
そんなわけで15:48、何とかこの日の目的地である元湯山荘に到着です。まずはビールで自分に乾杯!ん?でも元湯山荘には黒ラベルの缶ビールは売っていないようなんですが? |
|||
なお保冷パックに入れて保冷剤を仕込んでおいたこともあり、冷えてはいませんでしたがぬるくもありませんでした。この日は全面的に樹林帯の歩きでしたし、後半からは(渋沢温泉小屋以降の登りタイムあたりから)曇りとなり、気温も(太陽が陰れば)高くはなかったので何とかなったのかも。ちなみに立て続けに2本を飲み干しました!(空き缶は自宅までお持ち帰りです)。 |
|||
|
|||
さてチェックインをすると、受付の男性(たぶん小屋の管理人さん)が次のようにおっしゃいました。 |
|||
えええーっ、それってあまりにもラブ僥倖♪結局飛び込みのお客さんもなく、上画像のように「山小屋なのに個室でのんびり」というシアワセいっぱい夢一杯の宿泊となりました。ただし部屋にはTVもありませんしネット電波も完全圏外ですから基本的に寝るしかないのですが(笑)。 |
|||
|
|||
男女別のお風呂ですが、まずはっきりしておくべきは「温泉とはいえ源泉温度が低いので加温、そして溜め湯での利用」だということです。そして入口には「加水」での湯使いだとも書かれていましたが、これは「公式23.8度」の源泉をとりあえずボイラーで高温で加熱し、そのあと適温にするために水を投入しているということなのでしょう。あくまで基本は山小屋であり温泉施設ではないのでこれは仕方ないところです(隣接する温泉小屋も似た感じのようです)。 |
|||
|
|||
お湯はうす濁りで鉄臭があります。浴槽投入用の源泉加熱蛇口をひねって源泉を出してみましたが、金気味は明らかに渋沢温泉源泉よりも薄く、甘みも感じません(その代わりカルシウム由来と思われる苦みあり)。浴感はやや引っかかりもありましたがおおむねさらり感といったところ。成分総計は2030mg/kgと濃くもないのでまぁこんな感じなのでしょう。 |
|||
地名である「赤田代」の赤は間違いなくこの源泉由来の鉄さび色から来ているのでしょう。ちなみに湯温は23.7度。温泉小屋のほうから引き湯しているようですから、湧出部ではもう少し温度が高いかも知れません(ということは湯温が上がっているということかも)。湯味は‥蛇口から出したときとほぼ変わらぬ感じでした。翌朝、気温が低い時間に見てみたら湯気が立ち上っておりました。やっぱり温泉だねぇ。 |
|||
|
|||
夕食タイムの17:30までには少し時間があるので部屋に戻ってうたた寝です。やっぱり疲れたんだろうなぁ。ちなみにシーツにはパリッとノリが効いていて、旅館に引けを取りません。でも寝たのは15分くらいだったかも。 |
|||
|
|||
17:20ころ、入口近くのロビー(TVあり)あたりでうろうろしていたら「夕食の準備ができました!」ということなので一番乗りで食堂へ。今宵の夕食、数を数えてみたら4組10人分でした。このほかに素泊まりの方も2人おられたようですが、もしかして小屋の関係者かな? |
|||
|