− その4 幌加・足寄の湯のあとおとうのトラブルにご挨拶経由でミンタラへ −



シソ焼酎で有名になった鍛高地区ですが、現地で見かけたシソ畑といえばここだけでした。

さてかんの温泉宿泊&鹿の湯見学を終えて本日の行程スタートです。この日の目的地は定番の音別カムイミンタラキャンプ場なのですが、真っ直ぐ行ったらすぐに着いてしまうので少しずつ寄り道です。まずは糠平湖方面へと向かいます。



はいはい、逃げないキタキツネはこちらからスルーということでいいんですが(観光地ではないエリアだとちゃんと逃げます。餌をあげちゃ駄目ですよぉ)、ふむぅ駒止湖かぁ。通過しちゃいましたが、帰宅後あらためて調べてみたら実は一番湖面がよく見えるのは車道からだということが判明。いま自分が一番行きたいのはやっぱり羅臼湖かなぁと(ナキウサギはニペソツ山の途中とか戸蔦別岳の下山中とかでかなり見たので無理に見られなくてもいいです)。



さて進んでいくと山田温泉へ。然別湖畔のホテル福原別館として営業を続けてきましたが、建物の老朽化もあり2015年シーズンから営業休止ということになっています(もともと時期限定の営業でしたが)。詳細は右上画像マウスオンで表示される画像の通りですが、渡道前に残念だなぁと思っていたら‥




そういえば「裏の探索」はしたことがなかったですが、まぁしなくていいのかも。今後鹿追町が関わるとすれば建て替えまではいかなくともそこそこ手を入れるでしょうから、またここのさっぱり湯を楽しめることになるでしょう。

ちなみに個人的にびっくりしたのが、ここの元オーナーである然別のホテル福原、そのさらに親会社があの「スーパー福原」だったことです。確かに名前は同じでしたが繋がっているとは思いもしませんでした。

さてそんなわけで糠平までやって来ましたが、まずは北上!





とりあえず糠平温泉はスルーして(また戻ってくるし)、目指したのは幌加温泉でした。2軒あった宿のうち、われわれがお気に入りだった「ホロカ温泉旅館」はご主人が亡くなられたことで2011/1を以て休業(もう廃業でしょう)。残るは鹿の谷(かのや)旅館のみです。

経営者の女性はすでに80歳を超えた高齢だそうですが、訪問した方々の情報では「今シーズンも新しいシーツを購入したようです!」というわけでやる気は満々のご様子。でもご高齢ですから‥ちなみにTakemaがこちらのお風呂に入るのは1990年代前半以来もう四半世紀近くぶりだったりします(われながら驚き)。ニペソツ山から下山してきたときに入ったんだよなぁ。



ごめんくださーいと声をかけると、出てこられたのは女将さんよりは明らかに年齢の若い女性で、あとで話をしたら湯治中の常連さんでした。ご夫婦で滞在中で、「うちの人もリューマチがきつくてね。でもここのお湯に入っているとずいぶん楽になるようでね、2階から掃除機の音が聞こえるでしょ、あれうちの人がやってるんですよ」とのこと。いいなぁ。

しかし、そうはいっても女将さんもご高齢ゆえに今後鹿の谷旅館さんがどうなっていくのかは気になるところです。現にホロカ温泉旅館はもうなくなってしまったわけですから‥。女将さんのご親族が継いでくれるのが一番ですが、それが難しいとなると、一つの例として渓伊藤旅館ひかり温泉のようにオーナーさんが管理者に業務を委託するという形態もあるのかなと思いますが‥。

かつては300人もの住民がいたという幌加地区ですが、今やこちら1軒を残すのみ。三股山荘とともに、どうかこれからも糠平以北の灯を守り続けてほしいと思います‥っと、まだ入浴前なのに何だか総括しちゃったような気がしますが、気にせずお風呂編へと進みましょう。





四半世紀ぶりゆえ記憶はおぼろげですが、浴室はこんなふうに広くていくつも浴槽があって、そして現在と同様混浴で(このシステムは不可逆性を有しているので当然)ということは確かです。もっとも自分の場合、温泉ファンのブログサイト等で記憶の中の浴室画像データを更新しちゃっているかも知れませんが。



脱衣場側から順にナトリューム泉、鉄鉱泉、カルシウム泉と浴槽が続きます。どれもそこそこの湯温なので順番に入っていくと結構疲れますというか汗が止まらなくなります(当然)。一番奥の打たせ湯は鉄鉱泉なのかな、ここだけ湯温が低いのでクールダウン可能。なお浴室内の換気は良好で、これはありがたかったなぁ。なおそれぞれの浴感等については温泉専門ブログサイト等を御覧下さい。データ的に詳しいのは源泉マニアさんのサイトかなと思います。

さて、それはともかくここの露天風呂が結構ネットでは絶賛系なのは聞き知っていましたが、自分には全く露天風呂の記憶がありません。90年代前半にはなかったのかも知れませんし、また山から下りてきたときには雨でびしょびしょになっていたので「せっかく温泉に浸かって温まったのにわざわざまた雨に濡れたくもない」と思っていかなかったのかも知れません(たぶん後者)。

でもこの日はお天気もよく暑いくらい。しかもこの年はアブの出現が遅めのようで、車から降りるときもアブたたきダンス不要でしたのでぜひ行ってみましょう!





ちょっと晴れや雨が続くとすぐに藻が付いちゃうんだそうです(藻により浴槽がぬるっとするほどではないですが)。湯は硫黄泉ということですが硫化水素臭は感じず。でも肌ざわりのいいお湯でいいねーこりゃ。なお長湯中にはさすがにアブが1-2匹やって来ましたが、まぁこのくらいはご愛敬ということでしょう(ここに限らずハイシーズン、数十匹に囲まれると何だか「生命の危険」を感じたりしますからね(笑))。



左右対称系の浴槽は、何だかその昔は簡素な屋根掛けでもあったのかなとも思わせますが不明です。

このあと内湯に戻り、あとから来た男性と談笑します。仕事で旭川と十勝を往復することが多いそうですが、その時は(この日も含めて)ちょうど中間点たるここの湯に浸かるのがいつものパターンなのだとか。うらやましい‥(ま、季節によっては大変なのでしょうが)。

そんなわけで鹿の谷旅館露天風呂の動画をば。






そんなわけで鹿の谷旅館をあとにしたわけですが、上の方で書いたようにもともとはもう1軒のホロカ温泉旅館を贔屓にしていた自分ですからやはりその現状をお見せしたいわけです。

もう休館して5年以上たつというのに、母屋の方は昔と変わらぬ佇まいを見せていました(駐車場に砂利が積まれているのはなぜだろう?)。窓ガラスも割れていませんし、すぐにでも営業を再開できそうな趣です。‥あくまで母屋の外観は。

ただ浴室棟の方はすでに前回訪問時に屋根がひしゃげていましたし、まぁもう再開はないだろうなと思います。残念ですが。ちなみに在りし日の訪問ページはこちらです(1999川沿い露天風呂立ち寄り、2002宿泊、2003宿泊、2005宿泊)。



このあとは糠平に戻りひがし大雪自然館(ビジターセンター)へ。あれ、前とは場所が違うしえらくピカピカの建物ですね。ここのレンジャーの方々とはいろいろと仲良くなりたいモノなのですが(意味深)、まぁ今回は探索予定も立てていなかったので見学のみです(しまった、アブの少ない天狗の湯に行かれるチャンスだったか?)。

あ、それだけじゃないですね、おしんこどんが地味に集め始めた「ダムカード」はここビジターセンターで配布しているのですからしっかりゲット(右上画像マウスオン)。

あ、「地味に集め始めた」というのには追加説明がいるかも知れません。実はおしんこどんが2016GWに「よし、ダムカードを集めよう!」と高らかに宣言したわけですが、その割には自分でダムカードのあるダムを事前調査していないようです(そもそも旅行計画に関しては完全にTakemaの亭主関白なので)。

よって計画時に自分が調べておいて「ここのダム、カード配布してるよ」という感じで案内しているわけです。まぁ自分としてもメインロードを外れて管理事務所まで走っていったりするのは面白いのである意味WinWinかと)。

で、糠平湖自体はこれまでさんざんうろうろしているのですが(その昔に存在した「さわと温泉」にオンロードバイクで川渡り訪問&テント宿泊ページはこちら、撤去後に再訪問した時のページはこちら、さらにはレンタカーでの訪問時にスタックして焦ったときのページはこちら)。なお古いページはレイアウトが崩れまくってますが無視してください(記録メインなので)。

まぁそんなことはともかくとして、せっかくダムカードをもらったのにダムの躯体すら見ないで通過するのもどんなもんかと思いダムサイトへ。



昔はダムの上を通れたような記憶が‥。あ、今上天皇もあと17年のご存命は難しいよなぁ。
でもお役所看板ではその昔「昭和80年」とかの記載も見た記憶があるんで、規則なんでしょうね。


さてそんなわけでそろそろランチを云々タイムです。いつもであれば幌加から北上して三股山荘で「畑のランチ」とかにいそしむわけですが、いやそれも悪くはないとはいえ少しは変化球で勝負してみたいわけですよ。というわけで、同じ上士幌町内とはいえかなり南に下ったところにある食事処へ。下調べをしておいたわけですが、え、ええっ?







このページを御覧の皆さんであればもう察しはついていると思いますが、こちらのレストランは廃校になった小学校の一部を利用して営業しているレストランというわけです。ちなみにところどころに小さめの案内看板は出ていますが、自分は電話番号を入れてナビ検索をしたので迷いました(お店の公式電話番号は転送されてしまうので場所として正確ではありません)。

2010年に廃校(統合)となった学校ですが、コンクリート造りで立派です。ここまで立派にする必要があったのか云々はともかくとして(このことは道内のみならず各地方で廃校になった「新校舎」を見るたびに思うことです)、そもそもの目的を失った「学校」がただそのまま「地域交流センター」とかの公民館化していくだけではあまりにもったいないことであり、もともと公的な施設であったとしても、そこに民間の利用要請が「ある」のなら公とか民とかの隔てなく超格安で(いわゆる「公民館料金」レベルで)どんどん使ってもらうべきです。

このレストラン「tobachi」さんは町内の養蜂場さんによる経営だそうですが(店名=「十勝&蜂」)、この旧東居辺小学校の立地は「お客さんを呼ぶ」場所としてはある意味最悪です。周辺には著名観光地もないですし全然わかりません(でも頼むから電話番号のナビ検索には対応してほしいなと)。

しかしこの日、われわれが入店したあとしばらくしたら席待ちの列ができていました。これぞネットのおそるべき集客力なのかなと思います。その昔飲食店を開店する上で最大のポイントは「立地」のはずでしたが、その最大ポイントすら超越してしまったインターネット恐るべしです(ただし一方的な礼賛はしませんが)。

さてこちらtobachiさん。十勝牛のいいところを提供しているようですが‥





というわけで、「本日のランチコース」を選択しました。ステーキは十勝牛のほかにオーストラリア牛もあるようなのですが、ここでオージービーフを食べたい人はいないでしょう。ハンバーグに入れるのは構いませんが。ランチは某西日本水揚げのお魚とお肉のセレクトができましたが順当にお肉を注文(当然)。



この他にパン(おかわりOK)もありましたが、少食人種たるTakemaでもちょっと少ないかなと思いました。でも、この場所でこのクオリティ、十分に満足です。最後にイチゴミルク(右上画像マウスオン)をいただいてごちそうさまでした。



それにしてももったいないなぁ、このバックネットだって設置には相当のお金がかかってるだろうし(うじうじ)。

ま、半世紀以上生きてきてしまえばこの規模ならぬ無駄遣いの現場はたくさん知ることになったわけなのですが‥。まぁいいや、旅を続けましょう!

この日の泊まりは旧音別町のカムイミンタラキャンプ場です。道東道(無料区間)経由で行ってみたかったので、ちょっと遠回りですが足寄経由で‥いや、「地味にいい」という話を聞いていたこちらの温泉でキャンプ前にお風呂に入っておきたかったわけなので。



やってきたのはかなり地味です系の足寄温泉。名前とは裏腹にたぶん民間というか個人経営なのでしょう。入口の風情は東北系というか、背後の広い湯小屋の建物がなければ「ここ、ジモ専?」という感じです。入浴券自販機のゴミゴミした記載も個人的には大好きです(笑)。入浴料350円も北海道にしては安い、そんなわけで浴室に入ってみると‥うわ広いし、そして、





上画像だと大きさがわかりにくいですがかなり大きい浴槽で、15-20人くらいは余裕で入れるんじゃないでしょうか?お湯はそこそこ濃そうな茶系に見えますが、たぶん成分の色がタイルに付着したぶんもあると思われますので微薄茶色ということにしておきましょう。



そしてうっすらと漂うモール臭。もちろんかけ流しでトドったりもし放題です(洗い場以外のスペースも広いので)。換気はそれほど悪くありませんでしたが、冬場は湯気モウモウになっていそうな気もします。

温泉分析表は浴室に掲示されていましたが(右上画像マウスオン)、なぜか湧出量のところだけテープで隠されていたのはなぜだろう?でも循環のじの字も感じさせない完全かけ流しだったのでまぁいいか。

ただ、設備的にはだいぶへたっているのも事実で、カランやシャワー(全て源泉使用)もあるにはあるのですが接続部からの漏水も多くてそれほど使い勝手はよくありません。途中で先客さんが全て上がられてからは全て浴槽のお湯で洗いました。こっちの方が気持ちいいし!

そんなわけでお湯をタンノーし、さてこのあと本別のスーパーで夕朝食等を買い出しした上で道東道の新規開通区間(無料)経由で白糠方面へ‥と思っていたら、突如としてTakemaガラケーの黒電話受信音が高らかに鳴り響きました!運転中だったのでおしんこどんが代わりに出たのですが、ん?ちょっと深刻系?というわけで車を止めて電話を替わると‥おとうでした。



あれまこりゃまた!(驚)。聞けば、エンジンが止まった時目の前にトンネルが迫っていたので急ブレーキを掛けて何とかトンネル内への進入は回避でき、今はトンネル入口脇の道路施設の横(安全地帯)にバイクを止めているとのこと。すでにJAFには電話をかけたがおそらく到着までにはまだ30-40分くらいかかるのではないかということでした。



というわけで、Aコープでちょこちょこと買い出しをしたあと、浦幌ICから道東道へ。



う、うわ、もしかしてこの表示って‥(右上画像マウスオン)。



トンネルが連続する区間に入ってしばし、橋を渡ったすぐ先にあるトンネルの脇におとうが淋しげな顔をして立っているのが見えましたんでこちらも停車。なるほどここなら一時待避場所としては万全でしょう。それにしても不幸中の幸い?だったのは、エンジンが止まったのが屋外区間だったこと。だって、一旦このトンネルに入っちゃったら‥(右上画像マウスオン)。

ちなみにバイクがバイクなだけに(BMW)、部品の手配もあり釧路じゃなくて帯広に搬送することになるのじゃないかということでした。実はおとうとはこの翌日と翌々日、釧路で2日連続の宴会でご一緒する予定でしたが、バイクがこういうことですからおとうの参加はもちろん中止。まぁ人的被害がなかったのが何よりです。というわけで、われわれは先へ進むことに。

白糠ICで高速を下り国道との合流部に出たところでくるくるパンダの姿がちらりと見えたので「入念に一時停止、発進」いたしましたよ。



ここはあの焼酎の故郷なのね。旧白糠線の橋梁、まだまだ現役で使えそうな感じです。



上の方でも書いたとおりシソの畑はここでしか見ませんでした。もっと別の、国道から離れた場所で栽培しているのかなぁ?そんなに平地が多いエリアではないようにも見えますが?(謎)。

さて、海沿いまで出てしまうとかなりの大回りになるので、2016Tマップルに出ていたお勧め色の広域農道経由でショートカットします‥が?





いや、今回は車ですからいいとして、これが往年の「スーパー過積載タンデム状態のブラックバード」だったら‥いや、あの頃だったらこのくらいの道でも普通に走ってたか(笑)。ちなみに路面状況はさして悪くないので、普通のオンロードバイクでも大丈夫でしょう(一部だけ深砂利&穴あり)。ダート区間はほんの2-3kmだったし。



そんなわけでYAMANONAKAカムイミンタラキャンプ場に無事到着。この日はソロの常連さん(遠方から)が複数組と、近隣からのお仲間ファミリー団体が居られるようです。が、ここで気になるのがこの日の天気。というのも‥。



そんなわけで熟考熟女の末に?オーナーのMさんに「あのぉ、例の部屋って‥?」とお伺いをたてました。実はこちら、キャンプ場ではありますが泊まれるツーリストルームがあるのです。そんなわけで嗚呼、この日もまた屋根の下の住人になること決定!(苦笑)。

となれば引っ張り出すのは寝袋とエアマット+朝夕の食材を入れた発泡スチロール箱くらいで済むので実に楽々です。あ、またも夕ごはんがパックのお寿司だったってことはここだけのヒミツですが(苦笑)。どうも一部に「Takema夫婦は出かけると蕎麦か海鮮モノしか食べていない」という噂が広まっているようですが、こればっかりは事実ですので否定できません(ただしこの日がそうだったように時折洋食系が入ります。一方で滅多にないのがラーメンです。別に嫌いじゃないんですが)。

すでに団体ファミテン方面からはBBQの煙といいにおいが漂ってきていました(右上画像マウスオン)。ほんじゃ、われわれも少しずつ始めますかね。



そんなわけでまずはビールから。こちらのキャンプ場には冷蔵庫内に冷えた缶ビールがあるのを知っていたのでAコープでは買ってきませんでした。こちらの売り上げにも貢献できるし。ただ、一定人数以上のグループ or 少人数でもビールクズの方々となると消費ペースが相当早いので冷蔵が追いつきません。ご持参いただくのが大吉かと。なおわれわれは2人で4本でした。これくらいなら問題なしだと思います(このあと焼酎に移行したので)。

ちなみに右上画像は以前こちらで飼われていたマッキーくんのお墓です。ご主人、奥さんに伝えるでもなく写真の墓標を設置していたようで、奥さんもびっくりしておられました(右上画像マウスオン)。しかもこの写真墓標、くるくる回すと写真がどんどん変わります。あー、2002には奥の方まで一緒にお散歩したんだよね(左上画像マウスオン、ちなみに2002のページはこちら)。

このあとは、お話し好きのご主人とわいわいやりながらやがて就寝です。

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