- その1 まずは桃、そして湯めぐり! -



はい、いつものこちらからスタートです。

(2024年9月16・17日 その1)

秋というにはまだバリバリの暑さが続いた9月中旬、世は敬老の日がらみの三連休かもしれませんが自分は土曜日が完全出勤日なのでその恩恵は‥と思いきやふと勤務表を見ると「火曜日(平日)がお休み設定」とのこと!(翌週末に休出があったのでその代休)。というわけで日月(祝)火(平日)の三連休!ただ諸般の事情で月火のお出かけに。なおおしんこどんはお祭り参加のため同行は叶わず、Takema1人でのお出かけとなりました。

まずは福島を目指します。いつものように常磐-磐越道経由なのは交通量と道路線形の緩やかさからです。出発が早かったこともあり8:30にはいわきJCT手前の湯の岳PAに着いていました。



滅多に立ち寄らない無人PAだったのですが、「放射線情報 交通情報」と大きく記された小屋がありました。こんなのあったんですね。内部にはリアルタイムの放射線量が画面表示されていましたが、あの切り通しのところでも1.6μSv/hですか、ホントにずいぶん下がったよなぁ、開通直後(2015/3)には同じ場所が5.4μSv/hでしたっけ(確か見た中で一番高かった時は7.2μSv/hくらいだったはず)。開通前には除染も為されたのでしょうが、約10年で1/3以下に自然減衰したことになります。そしてそれは他の場所でも同じはずです。

いまだに「汚染地域には人は住めない」だのあーだこうだと言っている人がいますが、どうなのかなぁ。今なら別に住んでも何の問題も起こらないと思います。ただしそのことと、福島第一原発での事故がとてつもない混乱を引き起こし、その土地に住んでいた人々の暮らしや未来を一変させてしまったこととはまったく別の問題です。その責は今後も問われなければなりません。

いっぽうわたしの若い知り合いで、原発事故後に東京電力に就職した人物(女性)がいます。その思いや如何にと意を強くした記憶があります。事故を起こした東電に全ての責を負わせるというのは自分の本意ではありません。他人ごとではない「自分ごと」として捉えていかなければならないと思います。災害列島に住む者として。

さてのっけからお出かけレポとは別件バウアー(古いおやじギャグ)の記載をしてしまいましたので元のレールに戻しましょう。いわきJCTから磐越道に入り郡山JCTで東北道へ、そして福島大笹生ICで高速を下りれば、すぐお隣は「道の駅ふくしま」です。

福島盆地といえば「果物の王国」。特に桃の生産は全国第2位で(1位は山梨県、確かに桃の花見などにも行ったよなぁ@こちら)、でも今回のお出かけは9月中旬だったのでさすがに桃のシーズンはもう終わっているかなと思いつつ福島在住の方に伺ってみたところ、



と、何とも心強いお返事をいただきまして、先月同様(この時です)「桃買い」へと臨んだ所存です。ただいつも購入するあきば果樹園さんは晩生種を育てていないらしく、すでに梨の販売へと移行していましたので今回は残念ながらパスさせていただき(梨は地元の千葉も一大産地というか生産額は第1位、地元市川も北部は梨の果樹園だらけなので)、道の駅へと向かった次第。そして‥





もちろん茶箱で、わが家へのお持ち帰り用です。よしよし、今シーズン最後の桃だぞ♪

この日はあまり天気が良くなく、ここまでずっと曇りベースだったのですが、微妙に霧雨が降ってきたところで本日の第一湯である高湯温泉へと向かいます。おっと、朝ごはんをろくに食べていない状況で(途中のPAでフランクフルト1本)高湯に上がってしまうと食事処がないはずなので、前に一度行ったことのあるこちらへ。



高湯への登り口、最後の集落にある「胡々里庵」へ。有名どころなのか早い時間でしたがそこそこ混んでいました(まぁ連休中だし)。ちょっとお高めの値段設定かなとも思いましたが、そもそも量は少なくていいので大物狙いはやめて辛味大根そばを注文しました。蕎麦つゆのほか大根の絞り汁にも浸けて食べられるというのがいい感じで、味噌も添えられているので味変もできるし美味しかった♪

ちなみに蕎麦粉は福島県喜多方市山都産のものを(主に)使用しているということで、そのことを知って懐かしくまた嬉しくなりました。というのも、今から40年ほど前に大学のサークルでフィールドワークとして選んだのが旧山都町で、自分は地域の生業を調べる担当だったのですが、かなり奥まった場所である宮古地区で蕎麦の栽培が行われていることを知り「蕎麦の里」として地域興しをしてはどうかとアイデアを出したのです。その当時のことをまとめた冊子は所属サークルから旧山都町にも送付しましたのでどこかに埋もれているかな?

ただ、今調べてみたらほんの少し早く旧山都町商工会も宮古地区の蕎麦に着目し動き出していたようです(自分は全然知りませんでした)。そして今や山都宮古の水蕎麦といえば蕎麦好きには有名な聖地になっているようです。当時は宮古地区にそば屋さんなんて1軒もありませんでした。自分の調査報告などは一切関係なかったでしょうが何だか嬉しいことです。今度機会を見つけて行ってみたいな宮古地区。





静心山荘、ホントにいいわぁ。思えば震災直後の2011GWに初めて泊まりで訪れたのがこちらのお宿だったのでありました(この時です)。当時は放射線量云々もあまりわかっておらず東北、特に福島は観光どころではなかったわけで、予約の電話を入れた際も「どちらからですか、え、千葉から?ありがとうございます」と女将さんからのお言葉をいただいた記憶(というか記録)があります。

こちらの湯宿、ご飯がとてつもなく美味しい(所謂旅館ごはんではない)記憶があるのですが、その後泊まっておらずというのは残念な限り。何だかあちこちにいろいろな「宿題」が増えてきているような気がします。



独自源泉ですが周辺のお宿に比べるとやや湯温は低めです。

さてこのあとは磐梯吾妻スカイラインに上がったのですが、上はガスと霧雨で吾妻小富士に登るはおろかビジターセンターに立ち寄る気も起こらず全て通過しました(残念)。しかし山を下るにつれてとりあえずこちら方面ではガスもないし霧雨もやや収まったかなということで、続いての湯へ。




(なぜかフロント画像は斜め撮影画像のみ)

以前も2度ほど立ち寄り入浴していましたがしばらくご無沙汰でした。本館が完全に新しくなっているのを見て入浴料お支払い時に伺ってみると、担当の方は「え?」というお顔とともに「2022の地震で旧施設は倒壊してしまったんです」とおっしゃいました。

これ、恥ずかしながら全然存じていませんでした。2022/3の地震で建物が大きく損傷してしまったとは‥。その後全面的な補修とリフォームにより同年7月に営業を再開したのだとか(早い!)。

というわけで入浴料を支払い、ありがたくお風呂をいただきます。まずは赤湯から。どうやら内湯は大小1つずつらしく日替わりで男女が入れ替わるという情報を聞いていました。さて今回はどちらなのでしょうか?





ただものは考えようで、小さい浴槽ですからお湯の入れ替わりが早く進む新鮮湯を楽しめるともいえます。手前の洗い場部分は乾いていたのでしばらく先客さんはなかったよう。



湯の表面には油膜が浮いており、いろいろな成分が含まれていることがうかがえます。しかしこれだけの濁り湯であるのに泉質分類は単純温泉となっているのが不思議なところ。成分総計は0.9413g/kgで、一番多いのが硫酸イオンの386.2mgですから確かに濃くはないのですが‥。

さて日帰り入浴料を支払えば別の場所(外)にある露天風呂も入ることができますので、喜び勇んで行ってみましょう。こちらは地震の影響を受けず施設はそのままのようです。







まずはメイン浴槽にじっくり浸かり‥





前はなかったはずなので新たに設置されたものでしょう。ただ投入量の関係かぬる湯になっていて、この日のお天気&標高の高さからするとあまり楽しめず、再びメイン浴槽に戻ってのんびり浸かりました。

このあと野地界隈には今回は立ち寄らず、磐梯吾妻スカイラインを猪苗代方面へと下っていきます。中の湯旅館ってもう廃業して建物もすっかり撤去されて更地になっているそうで残念です。あの女将さんの雰囲気がなかなか個性的だったんだけれどなぁ。

また下の湯の滝川屋さんにはかつて「1日1組限定宿泊、のみ不可」の頃に泊まったことがあるんですが(この時です)、この時は調べていなかったので通過しましたが、2024/11現在日帰り入浴は完全時間予約制で3組だけ受け付けているようです。いずれにせよ予約なしでは駄目なのでまた次の機会に。

R115に出て通行車両の数がぐんと増えましたが、すぐに県道70号に入りました。レークラインという名のこの道はもともと有料道路でしたが、2013年に磐梯吾妻スカイライン・磐梯山ゴールドラインとともに無料化されました。この時期の無料化とは、もしかして東日本大震災後の福島で、観光分野の再興を狙っての判断だったかも知れません。

確か自分は有料時代には磐梯吾妻スカイラインしか通ったことがなかったはずで、レークラインは走ろうと考えたこともありませんでした(結構料金も高かったので)。で、今回走ってみたところ、その愛称とは裏腹に湖はほとんど見えずにちょっと期待はずれでした。連休中なのにこの通行量だし、たぶんこのルート単体ではペイしなかっただろうなと。



というわけで道の駅裏磐梯で小休止です。今回は寄らないのですが、そのうち裏磐梯に連泊して「ウチダザリガニ」の捕獲&調理で食べるという企画を実行に移したいと思っています。実は食べたことはあるんです。




(その時のページはこちら

お知り合いのきょうみさんが縁で塘路漁協の組合長さんからウチダザリガニの塩茹で(と淡水エビ)をいただき、ブラックバードでYAMANONAKAカムイミンタラキャンプ場まで運んで食べたのでしたっけ。もう15年も前の話ですが。外来種のウチダザリガニゆえ漁業権を気にすることもなく捕獲できるわけで、是非やりたいなぁ。



ここからは喜多方市街手前で南下して、塩川経由で会津坂下町でR49に合流。そのあたりでガソリンを給油したところ、燃費はともかく残走行可能距離はとてつもない数値を表示しました。あのね、千葉から九州まで無給油で走れるってこと?(笑)。まぁもちろんこれは数字のマジックで、走るにつれて実走行距離よりもどんどん表示距離は減るのですけれどね。

さて会津坂下からは奥会津方面へのR252に入ります。実はこのあとはいまだ未湯の「つきみが丘町民センター」に立ち寄り湯をしようと、ナビなしの道路掲示だけで向かったわけですが‥



ちゃんとナビ設定すればそんなことにはならなかったのだろうと思いますが、それほどこだわりがあるわけでもないので「まぁいいや」と思って柳津を離れることに。ええっと自分ってそれほど方向音痴ではないつもりだし勘も利くつもりなんですが、どうしてだったんだろう?

というわけで、今宵の宿に向かう‥前に一応新規湯にひとつね。




(ん?今は「桐の湯」という名前なのかな?)

こちらの日帰り温泉は14:00から営業ということでなかなかタイミングを合わせにくく、これまで入浴したことがなかったのです。今回は時間的にもすでに余裕のよっちゃん(死語)なので、いざ!

入浴料をお支払いしてお風呂へ。まさかの室内らせん階段にびっくり。こちら、設備はもう新しくもないですが、建設当時は相当お金をかけた造りなんじゃないかと思います。そして何となくお役所的なニオイも。どういう経緯で現在の営業形態に至っているのでしょう(お聞きすればヨカッタ)、ネット上にもそのことを記した情報はほとんどないのです。





真っ直ぐに延びた浴槽、その一番奥から源泉が流し込まれておりかけ流されています。だから場所によって熱いぬるいの好みの場所が選べるというわけなのですが、湯の表面と底部との人為的温度調整(底部からの湯投入)はされていない様子。ただ浸かった限りでは「底がぬるい」ということはなかったです。




(右上画像マウスオーバーで湯口上部の画像に変わります)。

なお対岸にある栄光館(この時泊まりました)とは別源泉の「赤谷温泉」を利用しており(栄光館は「第二源泉」)、あちらに比べると泉質名に「カルシウム」がない分さっぱりしている気がしますし透明度も高く、湯縁のサルノコシカケ的な成分固着もありません(左上画像マウスオーバーで栄光館の浴槽湯縁画像に変わります)。

さて泉質の話になりましたが、湯上がりに玄関前の灰皿付近で煙草を喫していたところ、管理人さんが同じ目的で出てこられたのでしばし雑談。その時に源泉の話になり男性いわく、



このお言葉に、多分そうだろうなとはうすうす思ってはいましたがやっぱりかとちょっと残念。


もしかして独自源泉だったらイイナの夢は潰えました。そこで次の質問に。「以前はジンギスカンなどの食事提供もしていましたよね、もう止めてしまったのですか?」。この質問に対するお返事はある意味予想通りのものでした。



やはり。このあと泊まる「ふるさと荘」も経営的な面から管理者が一時は栄光館に変わり、今は別のところ(後述)が管理運営しているわけです。奥会津エリアの観光全般に対して思うのですが、営業というか売り込み、アピールがあまりに弱過ぎでモッタイナイと思うのです。



というわけでふるさと荘到着です。「来て。」と大書されたポスターが貼られていますが、ふるさと荘(や桐の湯)は立地的な不利というハンデを負っており(R252や対岸の各温泉施設から離れた場所にあり周辺には人家もない)、なかなか経営的に難しい点があるでしょうね。でもそれだけに頑張ってほしいものです。



ロビーも部屋もシンプルイズベストです。ロビーの机といすは宿泊客用というよりも立ち寄り湯のお仲間待ち合わせ用といった感じです。部屋は六畳間ですが広縁付きですしTV・冷蔵庫もあり何の不自由もなし。布団はお客が敷く方式です。し、しかし?





実はこちらのふるさと荘、現在の経営者はまさにこの「伊勢屋さん」なのです。以前は川向かいの栄光館さんだったという話は上で書きましたが、まさか別エリアの温泉旅館による経営に変わっているとは。

なるほど、経費節減のためオリジナルロゴのタオルをやめ、できるだけ少ない人員で回すためにいろいろと工夫(後述)しているというわけなのですね。これはこれでいいんじゃないかなという気もします。

 

部屋に入って相撲観戦 with 芋焼酎のお茶割り実践中。窓の外には只見川。

あれ、温泉行かないの?と思われる方もいるでしょうが、チェックイン直前に桐の湯で浸かってますし、そもそもこちらの湯には2度日帰り入浴でお邪魔したことがあるので今回は全然がっつく必要がないのです。

さて相撲観戦タイムも終わり、しばらくすると夕食タイムとなりました。

 

夕食は松花堂スタイルと聞いていて、宿泊料も夕食付き8000円とリーズナブルだったため「ならば夕食はあまり‥」と期待していなかったのですが、温かいものは温かく提供され、天ぷらなどは揚げたて熱々でした。おそらく夕食タイムの始まりに合わせて揚げたものでしょう。品数は多くありませんが自分には十分満足できました。

なお、冷蔵庫から冷酒「名倉山 純米 名倉流」を出してきたのですが、食事後にロビーで精算するシステムでした。宿泊料もチェックイン時に支払うスタイルで、「お泊まりに関わる金銭系のやりとりは前夜のうちにすべて終わらせてしまう」ことで、朝のチェックアウトを簡略化=お客はキーをボックスに投入するだけとし、人員配置不要としているわけですね。

 

もちろんこのあとお風呂にも何回かはいりましたが、朝のほうが明るいので画像は次ページにて。おやすみなさい。

 
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